傷だらけの近況。
嘘。
別に傷だらけでもなんでもない。単に「傷だらけ」っていう言葉を使ってみたかっただけ。もしかすると同情交じりの注目を買いたかったのかもしれなくて、しばし自己嫌悪に浸る。
このごろ見たり読んだりしたものを下記に記す。
●小説…「バンギャル・ア・ゴーゴー」
ここしばらくミヒャエル・エンデばかり読んでて、ファンタジー脳になりつつあった己に喝を入れる上で極めて現代的な作家の小説を読んでみたのだが。
やられた。
この小説を読んで雨宮処凛に対する見方は180度転換した。それまでニートとか、ワープアとか、社会的弱者を食い物にして生き残りを図るあざとい作家というイメージしかなかったんだけど、小説家としては物凄く優秀だ。構成、キャラクター、セリフ回し、全てにおいてケチのつけようがない。あえて重箱の隅を突くとするなら、ラストでの風呂敷の畳み方がちょっとお粗末だったかなってことくらい。
でも、そんなこと気にならない位にこの作品は面白い。小説を読んでマジで鳥肌が立ったのはドストエフスキーの「罪と罰」以来で、ということは、少なくともこの作品を書いている瞬間、雨宮処凛は19世紀の世界を代表する作家と同じレベルにいたという事になる。
「あくまで僕の中では」という但し書きがつくけど。
●映画1… 「ゼロの焦点」
兎にも角にも広末涼子と木村多江な映画。脚本が色々とおかしいが、恐らくそれは松本清張の原作のせいだと思う。画は綺麗だし役者の演技は素晴らしいので、観て損はなかった。
この流れで次は「東京島」を観てみたい。
●映画2… 「28日後」
ついさっき観終わったとこ。面白い。とても面白いと思う。僕はロメロ原理主義者なのでゾンビが走る映画にはすごく抵抗があるんだけど、これはゾンビ映画ではなく、サバイバル映画のような気がするので許容できる。
脚本的には無茶苦茶なんだけど、不思議なリアリティがある。映画におけるリアリティというのは、心理描写の巧みさとは違ったところにあるんだろう。
それが何なのかは、ちょっと僕には分からない。
●ドラマ1…「ゲゲゲの女房」
面白いけど、ちょっと間延びしてきたかなあって感じ。でも観る。最早ゲゲゲを観ないと朝を迎えられない自分がいる。太陽が昇っても朝になった気がしない。会社に行く気力が湧いてこない。
なんていうか、毎朝飲んでるコーヒーと同じものになりつつある。
一日をそこそこポジティブに生きるための、カタパルト的な何か。
●ドラマ2…「新参者」
すんげーつまんなかった。
ていうか被害者の息子が水木しげるにしか見えねーし。
以上。
それではまた!!!!
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