【日記】曲作り
シャミの家で、久々に曲作りをした。
なかなかによいものが出来そうな気配がある。これまでならば絶対に書かなかった歌詞を書いてみた。
僕は、人間の内に潜む醜いものや、隠しておきたいものを引きずり出して白日の下に晒し、見たくもない現実を他者に突きつけることを己の仕事と考えてきた。特に、音楽活動に関してはこの傾向が強い。だから歌詞を書くときは「人の嫌がる顔や苦々しい表情をイメージしながら言葉を紡いでいく」という手法を貫いてきた。
本日はこのやり方を用いず、今までタブーとしてきた「人の喜ぶ顔を思い浮かべて書く」という事をやってみた。慣れない作業をするのは骨が折れるが、たまにはこんな余興も悪くない。
自分の中で最大の禁じ手であった「就職」というカードを切ってしまった今となっては、多くのこだわりが無用なものとなった。最早自分を縛る必要はない。気分と流れに任せて、好き勝手やってやろうと思った。
その後はカニクリームコロッケが旨くて安い定食屋で飯を食いながら、シャミと生臭い話をした。シャミと会話すると「金」「権力」「既得権益」「器量」etc…と、どうも生臭い話題ばかりがテーマとなる。本も漫画も音楽も趣味が違うが「金と権力と既得権益を心から愛している」という点では共通しているから、必然的にそうなるのだ。この共通点をもって天誅を10年も続けてきたのである。
もっともシャミは「金と権力」そのものを愛し、心から欲しているのに対し、僕は金と権力に溺れる人間の醜さを愛してやまないという点では、少しばかり事情が違っている。僕は権力はめんどくさいからいらない。指一本で全人類の生殺与奪を決定できるくらいの絶対的権力ならば欲しいかもしれないが、そんなものは現実的に手に入らないので、いらない。こんなふうに安全圏から重箱の隅をつつくような誹謗中傷を繰り返している方が気楽でいい。現場に深く関わるといらぬ責任が生じる。無責任な立場ほど自由なものはない。願わくば気が済むまで野次を飛ばす外野の位置でいたい。それはそれで寂しいことかもしれないが、自由を失うよりは余程マシである…
などということを頭の片隅で考えながら雑談に興じていたら、定食屋の亭主に怖い顔で
「いい加減出てってくれ。客がつっかえてるんだ」
という旨の事を言われたので、ばつの悪い空気を残したまま定食屋を後にし、帰途についた。
有意義な一日だった。
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